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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第2章 ~ゆるり、ゆるりと籠の鳥~


【蝶よ、花よ】






私は大谷様のお陰で少しだけ正気を取り戻した。

「っ、くっ…」

この世界へ来て初めての恐怖。正直、石田三成が怖くて仕方ない。
今考えると、大谷様が来なかったら私はあの世行き。
そう思いながら切れた首に手を宛てがいながら思った。私がこの世界で死んだらどうなるのであろうか。
この世界のあの世に行くのか、現代へ帰還するのか。死んだまま現代へ行くのか。色々な考えが頭の中を駆け巡る。

いや…死にたくない。

「私は帰るんだ…」

死んでたまるか…!

震える足に力を入れ、その場に立つと私にあてがわれた着物を脱ぎ始める。

先程の件で手が、指先が、全身が震え上がるのが鬱陶しい。

畜生と思いながらゆっくりと着物を手に取り、皺にならない様に衣紋掛けへと通した。

長襦袢となった私は寝る為に用意されていた布団に入る。
天井を見上げると走馬灯の様に色々思い出す。
あぁ、あの夢は今日も見るのか、元就様は裏切った私を殺しに来るのか、石田三成の鋭く冷たい瞳が私を突き刺したり、恐怖、恐怖、恐怖…。
コワイ、コワイ…。

あぁ、誰か…誰でも良いから私を助けて。
どれだけ元就様の所で温湯に浸かっていたのかが良く分かる。

「うっ…っく…」

私はこの世界に来て、初めて泣いた。
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