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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第2章 ~ゆるり、ゆるりと籠の鳥~



「…刑部か」


「ヤレ、三成」

ソレは大事な賜物よ、タマモノ。



カチャリ…

私は刑部の声と共に刀を下ろす。
そしてそれと同時に女も崩れ落ちた。

「あ…ぁ…」

女は呼吸の仕方も忘れ、ただ地に這いつくばるその女に刑部は近いた。

「おお、可哀想、カワイソウ」

事もあろうか、刑部は背中を摩ってやっていたのだ。

「ヌシを一人にしたワレのせいよ」

ワレのせい。

刑部が女の背中を摩りながら崩れた身なりを整え髪を流す。首に布をあてがい、甲斐甲斐しく世話をしてやると女は徐々に呼吸を取り戻す。

「あ…、お、…」

女が声を出そうとするも、まだ上手くいかず、焦点の合わない瞳で刑部の姿を手探りで探す。

「三成、女子には優しくする物よ」

そう刑部は言い、女の手をゆるりと握り、空いた掌で頬を撫でる。そして額を合わせると案ずるな、案ずるな、と繰り返し女に言い聞かせていた。

私はこの光景に驚きを隠せないでいた。
あの刑部が、私以外の人間を誰も近付ける事のなかった刑部が自ら近付き、自ら触れていたのだ。

「花よ、今日は寝やれ」

お披露目は明日にしよか、と刑部は女を褥につかせ私を連れてこの部屋から出て行った。
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