第1章 ふわり、ふわりと夢、うつつ
※R18
それからと言うと、私は毎晩の様に、快楽への泉に落ちて行った。
『あっ、…っ、んっ…』
やめて、やめて…。
だけど、だけど止まらないの。
「っ…、は、んっ…」
気持ち良くて止まらない。
夢は毎日続き、その中で彼女はその人によって辱められる。
それで解った事は彼女は私な訳で、やはりシンクロしていたと言う事。
彼女が感じた快楽がそのまま私に伝わり、私はそれで自らの手で快楽を得る。
止めたいのに自然と私の手は下へと伸び、掻き乱す。
『…あぁっ…!』
場所はわたしの部屋、あの公園やお風呂場。全く関係のない場所でのあの行為。
そして目が覚めると私の中から滴る熱い欲。
誰にも言えない私たちだけの快楽。
ある意味寝不足になりながらも女中の仕事をこなしていると、元就様から呼び出しが掛かり、部屋へと招かれた。
「如何なさいましたか?」
私は元就様の部屋へ来ると、その場に座り尋ねる。
「そなたに話が…」
詳しく聞くと、同盟の話だそうだ。
あの秘密がバレたのかと思いきや、なんだ、そんな事か。
「何故、私が?」
同盟って言ったらどっかのお偉い様が来るのでしょ?
敬語も礼儀も全く知らない私が何故もてなさなきゃならんのだ。
面倒だと言うのが本音。
元就様は最初断ってくれたみたいだけど、私抜きでは同盟はしない、そんな事を言っていた。
同盟と言うことは、それの力量を測る戦みたいなのが始まる訳で、その時私はどうするのかと考えていた。
この同盟は元就様にとっては非常に美味しい話の為、悩みに悩み、私に確認を取ってから決めるとの事。
正直面倒な事は嫌いだけれどお世話になってる身だ。
仕方ないでしょ。
「良いですよ?」
戦云々は後にして、ただお茶出したり言われたら従えば良いなら別に私は構わないと元就様に言う。
それでも元就様はうーん、と唸り、渋々文を認めた。
そして幾日が過ぎた日、その同盟を組む日がやって来たのだ。