第1章 ふわり、ふわりと夢、うつつ
元就様は私も脱げと言った。
「む、むむむ無理です!」
元就様のお身体が美し過ぎて私の身体なんて見せたら…
アカーン!!!
「何を考えておるのだ、阿呆」
布を巻いとけば良いではないか、と仰った。
「あ、そうか…」
私はいそいそと布を巻き付けて濡れた着物を脱ぎ始める。
脱いだ着物は元就様が絞って干してくれた。
濡れて張り付いた感触が無くなり、寒さも大分マシになった。
そして私達は狭い小屋の中で肩が触れるか触れないかの位置で過ごした。
雨はまだ降り続いており、まだまだ止みそうにない。
暫くお互い無言でいると元就様がクシャミをした。
クシャミをするのは当然であって、私は中は素っ裸だが、乾いた布を巻いている。
だが、元就様は裸だ。
しかも下半身は濡れたままだ。
私はどうしよう、と悩んだ。
この布に一緒に入ると私達は裸な訳で、素肌が触れ合う。
城の主にその様な事をして良いのか悩んだ。
そんな事を考えているとまた元就様がクシャミをする。
女は度胸よね…。