第1章 ふわり、ふわりと夢、うつつ
我はずっと気付いていた…。
名前の着物が透けている事を…。
小屋に手を伸ばし、戸を開けると中は意外とまともであった。
忍か何かが使う小屋であろう。
中を調べると端の方に薄汚れている布を見つけ#名前#に渡した。
案の定、遠慮してきたので布を頭から被せて本当の事を言うと、素直に受け取る。
我はほっとして濡れた着物を脱ぎ始めた。
「も、もももとなりさまっっ!」
何してるんですか、と顔を真っ赤にしながら手で顔を隠すも、指の隙間から我と目が合う。
「何を言っておるのだ」
着物が濡れていては余計体温が奪われるではないか。
「名前、そなたも脱ぐのだ」