• テキストサイズ

【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第1章 ふわり、ふわりと夢、うつつ


雨はまだ止まぬ。
濡れた着物が気持ちが悪く、このままでは風邪を引くやも知れぬ。

我は風邪など引かぬが心配は名前だ。
着ていた物はあの男が用意した物。
気に食わぬ故に剥ぎ取ったので今は薄着だ。

「くしゅんっ」

元就様、寒すぎます…とやはり無謀であったか。

安芸までは道程が長い。
辺りを見渡すと小さな古小屋があった。


「名前よ、あの古小屋で雨宿りをする」











私は元就様に着物を剥ぎ取られ、長襦袢に元就様の上衣だけになっていた。
たしか長襦袢はこの時代の下着だった様な気がする。
そう考えると私の格好は…

痴女か…。

それに、透けているし…。

私は元就様に悟られない様に片腕でさり気なく隠した。

雨は降り続いて私達はびしょ濡れ。
そして私はほぼ下着姿な訳でクシャミが出るのは当たり前だ。

元就様に寒すぎと訴え辺りを見ると近くに古小屋があった。
元就様はそこで雨宿りをすると言い、馬を雨の当たらない場所へと繋ぐ。


「本当に…此処で雨宿りを…?」


もの凄く古くて今にも潰れそうな小屋。


元就様は気にせず扉を開ける。
中は意外と綺麗で少し埃っぽい布が一枚あるだけであった。

「恐らく、忍か何かが使っていたようだな」

元就様は布を手に取り埃を払って私に寄越した。

「あ…私は」

私は遠慮して元就様がお使い下さいと言うと元就様は眉間に皺を寄せて私の頭から無理矢理被せてきた。

「ひゃっ!」

布から頭を出して元就様に何するんですか、と抗議した。

「…着物が」

元就様は薄らと顔を赤くして明後日の方を見ながら透けてる、とぽつりと零した。



気付いていたのね…。


そう言う事なら私は遠慮はしない。


/ 277ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp