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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第1章 ふわり、ふわりと夢、うつつ


どうしてこうなった。


結構な頻度で使うセリフ。
もうね、何度言ったと言うか、数えている訳がない。


何時か現れると思っていたのだけれど、まさか今日とは思わなかった。



猿飛佐助



偵察か、または赤い旦那のお使いと言う名のパシリか。
きっと後者に違いない。

失礼な事を考えているとどうしたの、と声が掛かる。
はっと我に返って彼を見ると例のペイントは無かった。

見た目は普通の青年で商人?みたいな感じだ。

ただ…俺様だし…

声がね、子やゲフンゲフン…


「早く座りなよ、あの大福とかお嬢ちゃんのじゃない?」


そう言われ後ろを振り向くと女将さんが大福をお盆に乗せやって来ていた。
彼の隣の場所をぽんぽんと叩きながらおいでと言って来るんだけど…。

物凄く、嫌だ。

本当に関わりたくないのだけれど、大福には罪は無い!
それに空いている席は彼の隣しかなく、重い溜息を吐きながら渋々とお邪魔しますねと声を掛け腰を下ろす。

それと同時に注文の大福とお茶が来る。
ふわり、と抹茶の香りが鼻をかすめ、隣がアレじゃなければもっと幸せな気分になれるのにと
心の中で悪口と一緒に頂きますと呟き、大福を一口頬張る。

「し、至福…!」

大福を堪能していると隣からあはー、と笑いの含む声がする。

「お嬢ちゃん、心の声口に出てるよ」

ぶっ!?

私、またやらかした!?

これも何時も通り過ぎて笑えない。

いつか、現代の事を言いそうだわ…。


「アンタ、面白いね」


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