第4章 ~くるり、くるりと悠久の輪廻~
そう言った天海様はゆらりと立ち上がる。
その瞬間、私の全神経が逆立った。
早くこの場から立ち去りなさいと、頭の中で誰かが叫ぶ。
私は近くに置いてある手拭いに天海様に気付かれない様にゆっくりと手を伸ばした。
「その身体に流れる赤い色に興味がありまして、ね…!」
「っっ!!」
天海の最後のセリフとほぼ同時に私は彼から間合いを取った。
「ほうら、美しいでしょ?」
そう言う天海は私の胸元を指差す。
「…っ!」
交わしきれなかった!?
私の胸元には一筋の赤い線が浮かび上がる。
「貴女のソレは甘くて美味しいのでしょうねえ」
傾国の白き花。
「汚れの知らない純白の花が鮮やかな色に染まる…」
あぁ、良いっッ!!
「…ッ!」
コイツ、やっぱり厄介だっ!