第4章 ~くるり、くるりと悠久の輪廻~
【参拾肆】
「はぁ…」
少し熱めの乳白色のお湯に肩までゆっくりと沈めると、自然と出てくる溜息。
気持ち良い…。
こうやって大きなお風呂に浸かるのはいつぶりだろうか。
金吾め、こんな立派な温泉を隠し持っていたなんて、許せん。
空を見上げると何時の間にか日は落ち、辺りはすっかりと濃紺に染まっていた。
そこに散りばめられた硝子の様な星たちが私を見下ろす。
この世界の空は美しく、ずっと見ていても飽きない。
だけど、偶にはあちらの星も恋しくなる時がある。
「この星空を…」
何時までも、見ていきたい。
これからも、ずっと…。
結局、私はどうしたいのか解らなくなって来る。
「ダメね、感傷的になってしまう」
この盛大な星空のせいか、自分が小さな人間に思えて仕方ない。
「そう言えば、秀秋くんのあの顔は凄かったな」