第4章 ~くるり、くるりと悠久の輪廻~
【参拾壱】
「あと、もう少し…かな?」
道無き道をひたすらに。
風魔を呼び出せばあっという間に着くのだろうけど、私は敢えて歩くと言う選択をした。
と言っても、端から歩いた訳ではない。最初に左近から馬を一頭貰って行ける所まで行ったら宿を取り、そしてまた出発。
それを繰り返し、所持金が無くなると今度は馬を売り、宿、食料調達、それが無理になると野営や狩りなどをし、そして現在に至るのだけれど…良く考えたら狩りとか言ったってモンスターをハンターするゲームしかやった事なかったはずなんだけど、まさかリアルにハンターするとは思わなかったよ…。
「もうすぐなんだろうけど…」
現代に居た頃よりかは体力は付いた筈なんだけど、やはり長旅だった為に消耗が激しい。
「はぁ、お腹空いたなぁ」
今日はもうハンターする気も起きないくらい疲れてお腹空いている。だけどやっぱり食べないとお腹は満たされないし休まないと疲れだって取れないし。
「あー、何か食べ物降って来ないかなぁ」
非現実的な事を思っていると何処からか、悲鳴に近い声がした。
「な、に…?」
その声はどんどんと私の方へと向かってきてわァァっと言う叫びと共に私の目の前に何かが飛び出して来た。
「うわぁっ!!っ…って」
なんだ、コレ。
良く見ると大きな鉄の塊の様な…?
「…え?」
鍋?