第4章 ~くるり、くるりと悠久の輪廻~
これ以上は此処に居れない。
心が、私の想いが、辛くなるだけ。
私が好きだった人達が、こんなにも近くに居る事が何よりも辛い。
私はじゃあねと左近に言葉を残し、踵を返したその時だ。
「…名前っ!!」
私は左近に腕を掴まれ彼に引き寄せられた。
「っ…!左近っ!」
彼の鼓動が伝わる。
私が左近に離してと言おうとした時だ。
「死ぬなよ、名前!」
耐えてきた涙が溢れそうになった。
だけど、何とか堪えて私は左近の胸を押す。
「随分と酷な事を言うのね」
私は笑顔でそう言うと左近は私に釣られ笑顔でそうだなと返し、私達は微笑み合う。
そして、私達は瞳を閉じた。
この口付けは、色恋とかそう言う意味では無い。
お互いが生きる、生きてまた共に笑い合うと言う誓い。
私は、
誓う。