• テキストサイズ

【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第4章 ~くるり、くるりと悠久の輪廻~


【弐拾肆】








~真田幸村~

気付くと何時もキミの姿を探していた。


キミの瞳を覗き込むと恋焦がれたボクが映っている。


だけど、本当のキミはボクを見ては居なかった。


夢の中のキミに、恋をしていただけ。







淡い夢、心秘めて。









某は共に甘味を食そうと名前殿と佐助を探して居た。

ふと視線を外すと気付いたら外は雨。

そんな中、佐助が独り佇んで居るのを見付け、某は雨も気にせず庭に降り立ち佐助の元へと向かった。



「佐助、そんな所で何をして…」



何をしているのだ、風邪を引くぞ。
そう言おうとしたのだ。
某に気付き、振り向いた佐助があまりにも切なく、この雨の様に今にも泣きそうな表情を向けた為に、何も言えなくなってしまった。



俺は、気付いたのだ。




己の名前殿に対する想いを知った時、佐助の気持ちも…。


初めて名前殿とお逢いした時は、突然であったが為に俺は逃げてしまった。

そして後に名前殿に逢う度、すれ違う度、同じ空間にいるのだと思う度に、名前殿に恋焦がれて行った。

だが、俺が名前殿に触れても、見つめていても、俺と名前殿の視線は交わる事はなかった。

だから俺は、せめて夢の中だけでも良いから#名前#殿と添い遂げたい、そう思うようになった。

そして、佐助だ。

佐助は気付いていた筈なのだ。
だが、佐助は俺のためにその想いを封じてしまっていたのだろう。
佐助も忍の前にただの人間で、人を愛したって別に可笑しくはない。

もっと自分らしくしても良かったのだ…。

俺が佐助にそう言えば、きっとこれが俺様らしい、そう言うに違いない。

そんな事を考えていると佐助は再び空を見上げ俺にこう呟いた。





「ごめん、旦那…俺様さ、名前ちゃんが好きだったよ…」




あぁ…。




知っていた…。




「今は、泣け」





この雨がお前の流れる物を隠してくれるから…。
/ 277ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp