第4章 ~くるり、くるりと悠久の輪廻~
【弐拾壱】
「形見…になるのかな?」
懐から取り出した物は、半兵衛様が何時も纏っていた青いマント。
だけど、アイツにボロボロにされて残ったのは一部分のみだった。
「私はコレ…半兵衛様に、そして…秀吉様に改めて誓ったんだ」
私は持っていた刀を握りしめ、佐助の目を真っ直ぐ見つめると私の思いを告げた。
「佐助、聞いて欲しい…」
眩暈がする。
確かに他の人間とは何かが違う、そう思っていたんだ。
だけど、そう来るとは思わなかった。
だって、信じられる訳ないでしょ、こんな事。
名前ちゃんが、この世界の人間ではない。
しかも、数百年先の未来から来た、だなんて…。
上手く濁して話していたからもっと何かあると俺様は思ったんだ。
だけど、あまりにも理解し難く、俺様はただ、彼女の話しを聞いていた。
「…何故そんな事を俺様に話してくれたの…?」
俺様はそう言うと彼女は困った様に微笑み、何でかなと言った。
「帰りたい気持ちはある。だけど、それ以上にこの世界への想いが溢れて…」
アンタ…佐助や幸村様とかね。
「独りだった私に暖かい温もりをくれた。だから…」
「っ…!!」
夢の中へと誘う白き花。
淡い、心…
淡い、夢…
淡い、幻…
淡い、光…
淡い、闇…
淡い、炎…
淡い、風…
それぞれの想いは、淡い思い出へ…
※本当は此処で7人のキャラの番外編を書く予定でしたがあまりにも思いつかなかった為に変更を致しました。ギリで2人は書けたので本編として組み込ませてあります。
文才?何それ美味しいの?