第4章 ~くるり、くるりと悠久の輪廻~
【弐拾】
だぁれ…?
おなじ、いろ…?
ちがう…。
もっと、
もっと、
もっと…
深い
闇色ね…。
「………」
どうしてこうなった。
左近は色々気付く奴だ。
本当に凄いと思う。
だけど、だけどさ…。
「あーら…また大胆なお召し物だ事」
旦那が見たらまた叫ばれるんじゃないの?
そう言いながら佐助は私が着ている物をまじまじと見てくる。
「…ちくしょ」
実は風魔に頼もうとしたのは私の戦装束だった。
流石に七五三並の着物じゃこの刀も振れないし、防御力がゼロに等しい。
だから弾正さんに言えばきっと用意してくれる、そう思って風魔に伝えてほしいと頼んだ。
そしたら、何処で嗅ぎつけたか解らないけど、左近が私の装束を用意して甲斐まで届けに来てくれた。
だけど、左近から渡された装束は本当に防御出来るのかが心配だ。
先ず、好きな部分だけ挙げるから良く聞いて欲しい。
色は全体的に薄い紫だ。
袖には大柄な花が描かれていて下に行くに連れて濃い紫色にグラデーションがかかっている。
この辺りは刑部さんが好きそう。
帯は朱色に金で細かく刺繍が施され、飾りは菊を思わせる様な作りになっている。
そこまでは、非常に好み。
問題は此処から。
裾が股下10センチとはどうかしている。
「名前ちゃん、もう少し足をこう…ふごっ!!!」
「恥を知れっ!!!」
「名前殿!今物凄く良い音がしたのだが、どうしたでござる…か…?」
はれんちいぃぃぃいいぃいゐぃぃつっっっ!!!
もう、ヤダ。