第4章 ~くるり、くるりと悠久の輪廻~
【拾玖】
「風魔、お願い…」
私は佐助が他の地へと偵察へ向かったのを確認すると、あの笛で風魔を呼び出す。
そして彼に必要な物を揃えて欲しいと頼んだ。
「多分、弾正さんに言えば解ると思う」
私がそう言うと無言で頷く。
良かったと心の中で安堵していると、目の前に影がかかった。
あ、何やら嫌な予感がと思っていると案の定彼に頬を挟まれた瞬間唇を塞がれた。
「っ、んーっ!んっ!」
何時もは軽く触れる様な感じなのに、今日に限って私の唇がしっとりと濡れるくらいに舐められた。
「ふ…や、…んっ」
風魔のキスはこんなにも深いのか。
これは自分の、と言っているかの様に深い口付けだった。
「っ、ふっ…ふうまぁ…っ」
少しだけ開いた唇から漏れたのは、もっと頂戴と言う様な甘ったるい嬌声。
おかしい。今日に限って何でこんなに激しいのっ!
「……!」
そして何故こんなに求めているんだろう。
そんなに欲求不満だったっけ、私。
止まらない。
足が震えて立っているのがやっと。
あぁ、もう駄目だ、そう思った時だった。
「テメェっ!名前に何してやがる!!」
そう叫び声が上がったと思うと、凄まじい速さで私の目の前を何かが通り過ぎた。
「ッ!?」
その通り過ぎた物をたどって行くと、随分と懐かしい刀が近くの木に突き刺さっていた。
「コイツ、俺が居るって解っててやってやがったんだぜ!」
いつの間にか離れていた風魔を見遣ると僅かに口角が上がったのを見逃さなかった。
「っ、こ、この確信犯めっ!!」
もう、何とかして。