• テキストサイズ

【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第1章 ふわり、ふわりと夢、うつつ


あの日、我は名前の部屋へ行った。


何時も我と共に茶をするが、この日は幾ら刻が過ぎても来はしなかった。

名前と仲の良い女中に聞くと早めに上がって寝ていると言う。
そう言われ、我は名前の部屋へと向かい、声を掛けるも返事がない。


少し引戸を開け様子を伺うと名前は褥で横になっていた。

安堵の溜息を漏らすとそのまま引き返そうとしたのだ。


「待って…」


そう名前の声が聞こえたので振り返り、#名前#の元へ行き名前を呼ぶ。

だが、反応がなかった。

枕元へ腰を下ろす。
夢見が悪いのだろうか、汗をかき、額に髪が張り付いている。

それを横に流してやり、頬に手を添えると名前の唇から先程の台詞が繰り返された。

「誰、貴方は誰なの…」

何度も誰と言う。

我では無い他を呼ぶ。

ワレデハナイ…

胸が痛み、我はそのまま名前に…


唇を落とした。


口付けた瞬間、名前の身体が反応を示し、起きると思ったのだが、その心配は無用であった。
その時であろう、我はふと名前の手元を見てみると微かな気配がしたのだ。
名前の手から何かが転がった。

「花…?」

それを手に取った瞬間、背筋が凍る様な感覚に陥った。




「もとなりさま、見てますかぁっ!」

あの日の事を思い返していた我はいつの間にか#名前#に手を払われて名前の顔が目と鼻の先にあった。

「!?」

何事と思い、今の状況を確かめると、名前が我の上にまたがって居る…


はっ!?


先の事の間に何かやり取りしていたらしく、名前の着物は果てしなく乱れ我の理性は限界まで来ていた。





「っ!…名前っ!」












「あいたぁーっっ!!!」


酒を乗せて置いた盆で名前の頭を殴った。



我は二度と名前に酒を呑ませまいと誓った…。
/ 277ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp