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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第4章 ~くるり、くるりと悠久の輪廻~


【拾壱】









っ、はぁ、ハァっ…


苦しい…。


「右が甘いよ」


逃げたい…。


「っ、はぁっ、次っ!」


でも…こんな事で弱音を吐いていたら、この先に待って居るのは確実に【死】だ。

それに、何の為に覚悟を決めたのか、解らなくなる。

「随分と上達したね、名前ちゃん」

佐助のクナイと私の得物が高い音を立て、交わる。

「っ、ンな事ない…」

私は息もままならない状態で佐助に返す。
確かに上達している事はしている。
だけど、この世界…いや、何処に居たってこれは必要不可欠。


そう、私には体力が無いのだ。

「今日はもう無理だと思うんだけど…」

俺様も疲れたし。

「っ、私は、まだやれるっ!」

足が震える。

それでも私は自身の刀を支えにし、立ち上がる。

「全く、困ったひいさんだこと」

そう言った猿飛佐助と私の膝が折れたのはほとんど同時。

私は地に膝を着く前に猿飛佐助に抱き抱えられていた。

「っなにをっ!!」

何をする、と猿飛佐助に向かって怒鳴ろうとした。
だけど、私の言葉は最後まで続かず、其処で途切れた。

「熱心なのは良い事。だけど、自分の事も考えなくちゃ」

そんな状態で続けても身に付かないし、大怪我に繋がる。


「…っ、猿飛佐助の癖に生意気だ…」


猿飛佐助は何だよ、それはと苦笑いをし、私を姫抱きにしたまま部屋へと戻って行く。


本当に、生意気だ。


忍の癖に…


あんな表情をして本気で心配してんじゃないよ…。



「…調子、狂うじゃん…」



「何か、言った?」



心の中で思っていた言葉がいつの間にか漏れていたけど、猿飛佐助には届いていないようで少し助かった。




優しい猿飛佐助は何だかむず痒い気がする。



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