第4章 ~くるり、くるりと悠久の輪廻~
【拾】
私にたりなかった物は、この世界で生きて行くと言う、覚悟だった。
私がこの世界へ来てから何度季節が巡ったのだろう。
勿論帰りたいと言う気持ちは失ってはいない。
だけど、それと同じくらい此処での想いも募るばかりで…。
この世界への想い。
私にとって、アニメやゲームの中のキャラクターでしかなかった。
どう言う訳でトリップしたのか解らないけど、彼らと出逢いその考えは改める事になった。
彼らだって、生きている。
一人一人が意思を持ち、感情を抱いている。
現に、私と言うイレギュラーな存在が良い見本だろう。
元就様は私に居場所を作ってくれた。
三成様は私に色々な感情を教えてくれた。
左近は此処での生き方を教えてくれた。
刑部さんは甘え方を教えてくれた。
弾正さんは安らぎを与えてくれた。
風魔は何時も助けてくれた。
半兵衛様には一途な想いをわたしに与えてくれた。
秀吉様は家族になってくれた。
猿飛佐助だって出逢いは最悪だけど、何だかんだで助けてくれた。
私は皆から暖かいモノを貰って来た。
だけど私は何も出来なかった。
私は役立たずだ。
助けたかった。
その術がなかった。
だけど、今は違う。
今度は…
何処まで出来るか解らない。
だけど、
「猿飛佐助!」
私は決めたんだ。