第4章 ~くるり、くるりと悠久の輪廻~
そこら辺に転がっていた得物を握りしめ、奴に切りかかった彼女。
武器とは程遠いのに、得物を握る彼女はとても様になっていた。
型をとるのにも時間がかかる筈だ。
なのに名前ちゃんのその姿は他の武将にも劣らない。
そして何よりも夥しい殺気。
ずっと見ていたからそうなるのは解るけど、本当に彼女から出ているのかと疑いたくなる。
「私はっ!アンタを許さないっ!」
そう彼女が叫んだ、その瞬間だった。
彼女の回りが光輝くと同時に彼女と祈織の姿が消え去った。
「!?」
消えたと思ったら激しい爆音と共に砂埃が舞い上がったのは本当に一瞬の出来事。
「嘘、だろ…」
自分の目を疑った。
だけど、それを纏った名前ちゃんは紛れもなく本人で、俺様の目の前で祈織に切りかかったのも名前ちゃんだ。
彼女、名前ちゃんも…
バサラ者だった。