第4章 ~くるり、くるりと悠久の輪廻~
「やっと、死んだか」
そう聞こえたと思ったら、何時の間にか現れた人物。
あれは…徳川家康んとこの家臣で、名前が確か祈織って言っていたような…。
その祈織って奴は静かに凶王、名前ちゃん、それに既に亡くなっている軍師さんの元へと歩み寄った。
「貴様…家康の!」
凶王さんがそう言った時だ。
あ、ヤバイ…。
そう思った瞬間、祈織は凶王と名前ちゃんを蹴り飛ばした。
「っぐはっ!!!」
「っっ!!」
祈織は女も容赦なく遠くまで飛ばし、その地面にはくっきりと何かが引き摺られたような跡が残っていた。
蹴られた瞬間、凶王さんは名前ちゃんを庇い大惨事にはならなかったが、名前ちゃんを庇った凶王さんは、はたして…。
徐々に舞い上がった砂埃が落ち着き、二人の姿が確認出来ると祈織はニヤリと含む様に笑い口を開いた。
「大したものだ。私の蹴りを喰らってもまだ、生きているか」
そう祈織は言う。
「っ、三成様と名前に何しやがる!!」
そう叫んだ島左近は己の得物を握り祈織へと向かって行った、はずだった。
「っ!!」
いつの間にか祈織は島左近の背後に回り、そのまま回し蹴りを喰らい彼方まで吹っ飛んで行った。
「遅い」
そう呟いたと思った瞬間、大谷の旦那もついでと言う感じで吹っ飛ばす。
はっきり言って全く見えなかった。
いつの間にか背後に回ったかと思えば肉眼で捉えられたのは砂埃だけだった。
蹴られた本人も何が起きたのか解ってはいなかった。
視線を戻すと祈織は二人が蹴り飛ばされた時に守りきれなかった竹中半兵衛の亡骸に近付いた。
「っ!貴様…何をする!」
それに気付いた凶王さんは祈織に向かって叫ぶ。
「何をって…」
ニヤリ…
祈織はさっきよりも愉しそうに笑った、その時だ。
鈍い音が響いたんだ。