第3章 ~ひらり、ひらりと久遠の破片~
俺は刑部さんに任せて下さいよ、そう言うと姫の手を握りしめ城の中へと誘導する。
「待って…」
そう言った彼女は俺の手をゆっくりと解き、後ろに居た刑部さんに向かってこう言った。
「三成様は湖に居ると思います!」
そう叫び再び俺の手を握り直し、共に城の中に。
俺は彼女に歩調を合わせ刑部さんに言った事を尋ねた。
「あんな事言って良かったのか?」
あの言葉で刑部さんは直ぐに気付いてしまう、俺はそう言うと彼女は静かに目を閉じ悲しげに言った。
「もう、良いの…」
「ヒッ…やはり姫殿は…」