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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第1章 ふわり、ふわりと夢、うつつ


「お願いっ!助けをよ…」


呼んでって、あれ?



幼…くないし!


その女の子の姿を上から下まで確認する。

「…っ!」

どう見たって中学生の時の私じゃないか!


何となく、思い出して来た…。

確か、この時の私は受験の事で煮詰まり、気分転換にこの公園に来たんだ。

そして、横たわる白い人がいて、その人は血塗れで、でも、怪我はしていなくて、私の事をっ…!!



ねぇ、


何故、私がこんな事を知っているの?


何故急にこんな事を思い出すの?


思い出す?

違う、私の頭の中に勝手に映像が流れ込んで来るの。

あたかもこんな事が起きていましたと言う様に。

知っているけど知らない、知らないけど知っている…。


気持ち悪い…。


そんな時だった。

私の目の前は一瞬にして真っ白になった。
白と赤が交じり合い、錆びた鉄の臭いが漂う。



「っ…!?」

な、何が起きたと言うの!?

私の目の前は見えない壁だった筈。

それなのに、この独特な臭いに柔らかな感触がするのは何故?

視線を少し外すと私の姿が見えた。

どう言う事!?

私の声と、わたしの声がシンクロする。


私は、


わたしは、


この人に抱きしめられている。




"私が、ワタシになった"



その人の手が私の頬を包む。


「んっ!!」




ウソだ…。






気が付いたら私の部屋だった。
寝汗をかいていたのだろうか、寝間着が濡れていた。

震えながら上半身を起こす。
この震えは寝汗のせいで冷えて震えているのか、夢のせいで震えているのか、きっと後者に違いない。


今度は、確かに憶えている。

自分の唇に指を添える。



その人の口付けの温もりが…。






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