第1章 ふわり、ふわりと夢、うつつ
少し前に言った事、覚えているかしら?
私の見る夢は少しだけ特殊だって。
久しぶり見る夢。
目が覚めると忘れてしまう。
だけど、また同じ夢の中に入ると思い出す、そんな私の見る夢は、まるで映画やドラマの様に話が続いている。
今、私は前回見た夢の続きで、あの公園に居る。
だけど、少し雰囲気が変わったような気がした。
「遊具が出来た…?」
前回見た時より物が増え、遊具が新旧と入り交じっていた。
新しいと言う事は少しだけ時間が進んでいると言う事かな?
私は前回と同じ様にあの花が咲く丘へと歩く。
だけど、何となく今日は急がないと行けない、そう思った私は足早に花の元へと急いだ。
「…っ!?」
視界が開けた場所に辿り着くと、白い何かが横たわっているのを見付けた。
「な、に…?」
私はそれに近付いた。
あともう少しと言う所でまた見えない壁が私を遮る。
「っ…!」
どう言う事!?
だって、あれはどう見たって…
人じゃないの…!
「だ、誰かっ!」
私は見えない壁を叩き付ける。
だけどもその壁はビクともしなかった。
助けなきゃならないのに、
「このまま、見てろって事なのっ…!?」
ドンっ…!
私は思いっきり壁を叩いた時だった。
少し離れた所から誰かがこちらに気付き、走って来る。
「まさか…」
女の子だ。
きっと、幼い私に違いない。