第1章 ふわり、ふわりと夢、うつつ
厄介な事になったものだ。
よりによってあ奴に接触していたとは…。
これでは奴が接触して来るのも時間の問題よ…。
「名前、我は…」
私は何時もの様に洗濯物を干していた。
キラキラと陽射しが眩しくて、ついつい、ウトウト、うん眠い…。
「ふふっ…名前様、もう少しで終わりますのでお上がりになられても大丈夫ですよ?」
お菊さんはクスクスと微笑みながら少なくなった着物を干して行く。
私は申し訳ないと思いながらも瞼は落ちて行くばかりで、あと一枚干したらお言葉に甘えようと思った。
私が勝手に決めつけたノルマの一枚を干し終え、お菊さんにすみませんと言って私は部屋へ戻る事にした。
どうしてこんなにも眠いのだろう。
生理?
嫌、それはもう少し先の筈なんだけど、トリップの影響でバランスが崩れたのかも知れない。
着物から夜着へと着替える。
眠過ぎて上手く着れなかった事は元就様には内緒。
「あぁ、そうだ。元就様に言ってないや…」
元就様で思い出したのだけど、仕事が終わると一言伝えて一緒にお茶をする日課になっていたのだが…
無理。
お菊さんが私が早く上がった事知ってるから彼女が何とかしてくれる。
多分…。
あぁ、駄目だ。
これ以上は何も考えられない。
目を閉じると私の意識はすぐさま闇に吸い込まれるように堕ちて行った。