第3章 ~ひらり、ひらりと久遠の破片~
「ったく、何で小生がこんな小間使いみたいな事…おぉ」
え…、え?
わたしは入って来た人物を見て驚いた。
声を失うってこう言う事なんだなと思った。
「それを置いたらもう用はない」
彼女が怖がっているじゃないか、とそのセリフでわたしは我に返った。
「あ!ごめんなさい!怖くないです!」
わたしは手を胸の前で身振りをし違うと訴える。
「小生が、怖くない…だとっ!?」
今度は重治さんとクマさんみたいな大きい人が目を大きく開けてわたしを見る。
クマさんの方は目が髪で隠れていてわからないけど。
「これは、驚いた…」
わたしはキョトンとし、そんなに怖いかな?と思った。
だって、ねぇ…。
「わたしが驚いたのはソッチ、です」
わたしはおずおずと指を指した方向には現代では考えられない物。
……鉄球?
「っく…!あははっ!気に入ったぜ」
嬢ちゃんよぉ!
「きゃっ!!」
わたしはクマさんに背中を叩かれ少し吹っ飛び、膝を畳に打ち付ける。
い、痛い…。
その瞬間、わたしの部屋が闇に包まれた。
「ふぎゃあぁぁぁぁぁっ!!!」
クマさんの断末魔の叫びが、わたしの部屋…否、城全体に響き渡った事でしょう。
わたし、貴方が一番怖いと思いました…。
えぇ、ホントに。