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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第3章 ~ひらり、ひらりと久遠の破片~


【seventh.】







あれから私は自身の城に帰った。
そして、彼女…名前には一度たりとも会ってはいない。
逢いに行っても、半兵衛様によって門前払いだ。
半兵衛様が仰るには一度も目を覚まさず、寝たきりだと言う。
おそらく、精神的な物だろう。
それによって人払いをしている、と。

私は幾つ、一人の時を過ごしたのだろう…。


幾日、名前のいない夜を過ごしたのだろう…。

名前を想う度、胸が締め付けられ、切なくなる。


苦しい…。


この様な感情は生まれて初めての経験だ。

恋とは、この様に苦しく、切ない物だったのかと初めて知った。


冷たく、底の無い湖に、深く、深く、私の心は沈み行く。
手を伸ばし、一筋の光を見つけそれを掴もうとする。
だが、その光は刹那に消え去る。
掴み損ねた私の手は、再び光を探し求め彷徨い続けるであろう。


光には、私の手は届かない…。

光には、私の声は届かない…。

私は…。




" みつなりさん "




今にも彼女の声が聴こえて来そうだ。



みつなりさま!



また、私の名前を呼んでくれるのか…。

私のせいなのに、私がお前をそんな目に合わせたと言うのに…。

まだ、私に手を差し延べてくれるのか…。

私の、私の光となってくれるのか…!



「三成さまっ!!」



名前…


では、ない…。

私ははっとし、呼ばれた方へと顔を上げた。

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