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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第3章 ~ひらり、ひらりと久遠の破片~


「…つまりは君が駆けつけた時には…」

彼女はあの状態だったんだね?と僕は家康君に問う。
すると、彼はああ、間違いない。と答えた。
話を聞くと、彼女を連れ去ったと思われる奴らを散らしたが、彼女は時既に遅く、あの状態で発見した、と言う訳だ。
もう少し遅ければ、彼女は命を落としていたかも知れない。
それだけが救い、か…。
しかし、彼女の精神状態が心配だ。現に…。

「半兵衛様?」

半兵衛殿、と二人から声をかけられはっと我に返る。どうやら長い間考え込んでいたようだ。

「…君達は下がって良いよ」
僕はこのままやらなきゃ行けない事があるからね。と二人を下がらせようとすると、三成君が僕に一つ言葉を紡いだ。

「半兵衛様、彼女の様子を…」

三成君は今にも消え入りそうな声で僕に許可を求めた。

「…ああ、構わないよ」

但し、静かにするんだよ、と念を押した。そして二人は去って行った。

「………」






やる事を終わらせた僕は様子を見に行こうと、彼女が眠る部屋へと足を運んだ。
部屋の近くへ行くと僕は足を止めた。止めたと言うより、進めなかった。

「あぁ、名前…済まない…名前…」


三成君がか細い声で彼女の名前を呟く。



三成君…君は…。


僕は踵を返し、その場を去った…。
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