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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第2章 ~ゆるり、ゆるりと籠の鳥~


【降り頻る雨】







もう、どれくらい馬に揺られたのだろう。
もう、どれくらいの時が過ぎたのだろう。
所々、馬と私の休息を取り、大阪城へと向かう。

また、暫く走っていると私の頬に冷たい物が当たった。


「三成さん…」

雨が、と伝えると三成さんは頷き、後ろの刑部さんに叫ぶ。

「まだ本降りまで時間がある」

刑部!行ける所まで行くぞっ!

それに対して刑部さんは相、わかった。
そう言いうと、二人は速度を上げた。
その時、私と三成さんは何かを感じ取り、私をキツく抱き寄せて叫んだ。


「伏せろっ!刑部!!」

叫んだと同時に三成さんが私を腕で包み込む。

「私にしがみついていろ!」

私は何が何だか分からず、とにかく三成さんに言われた通りにしがみついた。
その瞬間、馬が甲高く鳴き、もがき苦しむ様に滑り込みながら倒れた。
どうやら何者かが馬に矢を放ったようだ。
その拍子に私と三成さんは馬から振り落とされてしまう。
三成さんが庇ってくれたお陰か、衝撃は凄かったが、傷は負わなかった。

「大丈夫か、名前!」

怪我はないかと気遣ってくれる。
私は三成さんは、と聞き返すと問題ないと言い安堵の溜息を漏らした。

「三成、ちとマズイ事になったナァ…」

少し遅れて刑部さんが辿り着き、三成さんに話し掛けた。

「一体、何が起きた、の…」

私が三成さんに抱かれたまま呟くと彼はこう応えた。



「囲まれた」



刑部さん曰く、山賊か何らかの残党だろうとそう教えてくれた。

「それじゃあ、私達は…」

どうしたら良い、と私は三成さんと刑部さんの顔色を窺う。

「ヒッ。大事無い、と言いたい所だが…」

ちと、数が多くてなァ、と刑部さんは三成さんの顔色を窺いながら答えた。

「問題あるまい…」

私が斬滅すれば善い事!!

三成さんは私を目立たない所に隠し、雄叫びを上げ私の存在を散らす様に、敵の群れに向かって行った。

「やれ、血の気の盛んな事」

ヒナギクはそこでゆるりと見物しやれ、と刑部さんも三成さんの後に続いた。


私は二人の後ろ姿を見送った。


お願い…無事でいて!


私はただ、祈る事しかできなかった。
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