第2章 ~ゆるり、ゆるりと籠の鳥~
結局姫抱きは無しにして三成さんと馬に跨る事になった。
アレは色んな意味で心臓に悪い。
三成さんと密着とか三成さんと密着とか、みつ(ry しかし、馬も密着度はあまり変わらず、羞恥心の問題だけであった。
私は着物から袴に着替え(男物かい)三成さんの前に跨る。
何故前なのか聞いてみると三成さんは何か話しているようだが、声が小さ過ぎて全く聞こえない。
その様子を愉しそうに見つめる刑部さんが少し不気味だった。
(ヒッヒッヒッ)
「しっかり掴まっておけ」
え!?
私が返事をする前に三成さんは馬を走らせた。
「あっ!ちょっ!みつっ!!」
三成さんは舌を噛むぞ、と教えてくれたのだが遅かった。
「っっーーーっ!!」
私は一人痛みに耐え、必死に馬の鬣にしがみつく。
すると後ろからお腹にかけて三成さんの腕が回された。
「私の腕に掴まっておけ」
私は思わず振り返り三成さんを見る。
すると無理矢理前を向かされた。
何故。
その様子を後ろから刑部さんが伺っていてヒーッヒッヒッと大声で笑い、三成さんが煩いぞ、刑部!と怒鳴っていた。
(彼女を前に乗せたのは、後ろから抱きしめたかったから)
(凶王にも春が来よった)
(この馬はUMAかっ!ぴゃあぁぁぁぁぁっ!!!)