第2章 ~ゆるり、ゆるりと籠の鳥~
【桃色鬼灯】
「刑部さんが帰って来たと言う事は…」
遂に、大阪城…か。
私は今刑部さんの部屋でお茶を頂いている。
もちろん炬燵と蜜柑のオプション付き。
「うむ…太閤と賢人よ」
豊臣秀吉公と竹中半兵衛…。
「ヒッ…。ヒナギクの世界でも、」
有名人か…。
「それは、もちろ…ん」
え、今、何?
私は思わず彼を凝視する。
私は今、何て答えた?
その前に、何故刑部さんが知っている?
左近が話した?いや、彼はそんな事する筈がない。元就様にも、話していないのに、何故…。
「ワレは詳しくは知らぬ。気にしやるな」
ほれ、茶が冷めよる。
お茶の味が全くしないのは何のせい?