第2章 ~ゆるり、ゆるりと籠の鳥~
【雛菊の咲く頃に】
「ぎょ、刑部さん…これは…」
一体、どう言う事なのか。
例の言葉で表すと、こうなる。
どうしてこうなった。
今、自室の前にいる。
それは普通の事なのだが、部屋の中がまぁ、そりゃ、目が痛くなる程煌びやか。
視線を逸らしても、逸らしても、そら(ry…。
着物、着物、簪、櫛、箪笥、花、櫛、花、花(ry と、誰が見ても高級品と分かる物で溢れ返っていた。
刑部さんをチラッと覗いてみると、例の笑い方でドヤ顔をしていた。
(分かりにくいけど。)
「なに、ワレの愛いヒナギクに土産よ、ミヤゲ」
土産の量ではない。
嫁入り道具か、とツッコミたくなる程だ。
「ヒッヒッヒっ!ワレの元へ嫁いでくれるか、嬉や、ウレシ。ヒッ」
Oh…Shit…
某伊達さん(某でも何でもない)の真似をするならこうだろうか。
またやった。
あぁ…、死ねる。
刑部さんは日取りは大安吉日よ、と、そして私は灰になっていると何処からか叫び声が聴こえた。
「幾ら刑部でも認めない、みとめない、認めんっ!刑部うぅぅっっっ!!!」
刑部さんははて、凶王の声?空耳よ、ソラミミ。
そう言いながら呑気にお茶なんぞ啜っている。
そして、何処から出した。
その炬燵と蜜柑。
さらに、三成さん。
どー言う耳してんの。
地獄耳過ぎ…。
刑部さんは蜜柑を吹き出しながら、笑い転げていた。
「刑部さん、自分で拭いて下さい」
こんな日常も悪くない。
(ヤレ、新居は三成の隣にしよか)
(問題あり過ぎです)
(おのれぇっ!刑部うぅぅっっッ!)
(三成さん、本気にしないで下さいね)