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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第2章 ~ゆるり、ゆるりと籠の鳥~


「全く使えぬわ」


我の声に存在感のない長曾我部が反応する。

「使えねぇって意味分かんねーよって、それよりもよォ、」

相変わらずの調子で我に話し掛けてくる。鬱陶しい。
奴はまぁ、まぁ、と我の背を叩いて宥めようとするも、無駄に馬鹿力で我はそのまま吹っ飛ぶ。


ズシャ…。


「あ」

「…………」

奴はあー、その、何だ、済まねぇ。と頬を掻きながら目を泳がせながら詫びを入れた。

我は立ち上がり、身体に付いた砂埃を払い、長曾我部に向き直る。

「…して、何用ぞ」

下らない事ならば、輪刀の錆にしてくれようぞ。

物騒だなぁ…。
あー、そうだった!と手を叩き言葉を続けた。

「お前が嫁さん貰ったって聞いてよぉ」

見にきたんだよ、と長曾我部は辺りを見渡し、目的の人物を探す。

嫁とは一体何処で聞いてきたのだ。
おそらく名前の事であろう。
しかし、今は此処には居ない。
余計な事を言えばこ奴の事だ。
人の陣に遠慮なく進入し、探し回るであろう。
現に今がそうだ。


鬱陶しい。



「嫁とは、語弊よ。貴様には関係あるまい」

さっさと帰るが良い。


「何だかよく分からねーが、お前ぇ、」


今、この世の終わりみたいな顔してんぞ…。


「…っ!」


黙れ、黙れ黙れっ!!
それくらい、我が良く知っておるわ!
貴様に言われたくない!
貴様に…

何が分かると言うのだ…。



あぁ、名前、そなたは今、何を思っているのだ…。





「毛利…お前に一番似合う言葉を贈ってやるよ…」




" 哀れ " だ…。




我に長曾我部の言葉は届かなかった。
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