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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第2章 ~ゆるり、ゆるりと籠の鳥~


【碧の哀れみ】






「よぉ、毛利ぃ」

我は瀬戸海に優雅に聳え立つ大鳥居の前で一人佇んでいた。
すると、背後から耳障りな声が響いた。

「…失せよ、長曾我部」

貴様と戯れている暇など、我にはない。

そう、暇などない…。


名前、何故だ。
何故、我の元から去ったのだ。
大谷が言っていた言葉通りならば、おそらくは豊臣…。
連れ去られたのならば話は別だが、あの黒い羽根の持ち主はただ一人、風魔小太郎。
そしてあの雨の時名前の首に下げられていた笛。
あれは忍の笛だ。
それを使い風魔を呼び出した。
その前に豊臣と同盟を組んだ日であろう。
おそらく大谷が名前に何か吹き込んだに違いない。
でなければ、名前が自ら我の元を去る筈がない。
去って暫くした後にあの猿が訪れ、聴くと#名前#に会いに来たのだと。
それの為に我の城に忍び込み、駒共を叩き切り、そして奴は巫山戯た顔で俺様忍だし、と我には関係ない事を抜かしおる。
そして我は自由が利かぬ身故に、猿ならばと名前の所在を確かめるべく依頼したのだが、幾日過ぎても返事が来ぬ。
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