第4章 白石蔵ノ介
二人で並んで歩いていると
小さな女の子が前から歩いてきた。
女の子が俺達を見ると
「サンタさんだ!」と言って俺らのとこに通ってきた。
「ねーね。サンタさん、今日の夜あたしのところに来てくれるん??」
真っ赤なほほをしながらかわいく訪ねてきた。
「そうだね~。いい子にしてたら絶対プレゼント持っていくよ!」
さんがしゃがんで女の子と同じ目線で話している。
「ほんまに?!」
女の子の目がキラキラ輝いとる。
「サンタさんは約束守るんやで!」
「あたし、いい子にしておく~♪」
「よし、じゃあ、今日はお母さんの言うこと聞いて早く寝るんだよ~。」
「わかった!」
「いい子やな~。もう、そろそろお母さんところに戻り。」
さんは女の子の頭をよしよししながら言った。
「うん、サンタさんバイバーイ!」
女の子は嬉しそうに手を振りながら駆けて行った。
「バイバーイ」
俺はさんが笑いながら手を振るのを見ていた。
あぁ、なんかめっちゃ幸せやわ…。
「私もいい子にしてたらサンタさん来るかな~。」
えへへって笑いながら俺に言ってきた。
「さんとこには来るやろ。」
「ほんまに?」
「えぇ子やからな。」
「今日は、早く寝ようかなぁ~。」
そんなことを言いながら歩くさんの顔はキレイやった。
その顔に見とれてしまったのがばれてないことを祈る…///
「ほんまに早よ帰らなやばいよな?」
時計を見ると結構な時間が経っとった。
「ほんまやなぁ。しゃーないけど走る?」
「そやな!走ろ!行くで白石くん!」
俺とさんは猛ダッシュで学校に戻った。