第4章 白石蔵ノ介
慌てて元の場所に戻ると案の定、サンタの格好をしたさんが待っとった。
「さん!ほんま、ごめん!」
「もう、どこ行っとったんよ!先に帰ったか思ったやん!」
「ほんま、ごめんな!」
「悪気はなさそうやから、もうえぇよ。それより、早よ帰らなみんな待っとるで。」
「そうやな、早よ帰ろか。あ、荷物俺が持つで。」
「そんなに重くないから大丈夫!」
「さっき、さん待たせてもたし、さん女の子なんやから俺に持たせてくれん?」
「じゃあ、お言葉に甘えて持ってもらおうかな~。」
俺は、#NAMW2#さんから荷物をあずかった。
「ありがとう、白石くん。やっぱ、優しいね。」
さんはにっこり笑った。
「いやいや、これは男として当然やろ。」
「おっとこまえ~。こりゃあ、女子にモテる訳やな。」
さんはふざけた感じで俺を茶化してきたけどそんなとこもかわいいと思ってしまう俺は、けっこうな勢いでさんのこと好きなんかなぁ…。
「こんくらい普通やろ~。それに、俺、残念なことに全然モテへんで。」
「嘘つけーい!女の子みんな白石くんのことかっこいい言うとるのにモテてないことないやろ~。」
「ほんまにモテんから!現にモテとったら彼女くらい今おると思うから!」
「そういう謙虚な姿勢がまた男前なんやろうな~。」
「いや、だから…。」
ハァ…。もう、これ以上否定するのもアホらしいな…。
まぁ、さんは俺のことかっこええって言うてくれとるとして捉えとくか…。