an inseparable twosome~ずっと昔から~
第1章 1 出逢い
「陽菜ご飯食べ行こー!!」
『うん!今日も中庭?』
「もちろん!」
昼休み。
やっと授業が終わって、みんなご飯を食べる時間。
さっき、お兄ちゃんがお弁当持ってきてくれたし、
安心して食べれる。
「朝、大翔さんに呼ばれてたけどなんかあったの?」
『お兄ちゃんのお弁当を間違えて持ってきちゃったの。』
「そうだったんだ!んーここら辺がいいかな?」
中庭のいい感じに日の当たるベンチを確保してそこで食べることにした。
あ。そういえば、朝のサッカーの上手い人のこと遥香なら知ってるかな?
『ねえ遥香、サッカー部の人わかる?』
「んーあんまりよく知らない。」
『そっか。』
「その事は大翔さんに聞いた方がいいんじゃない?部長だったんでしょ」
『あ!うん。お兄ちゃんに聞いてみる』
「どうしたの?珍しいね。陽菜が男子のこと聞いてくるの」
『なんか気になったの。』
私でもわからない。なんでこんなにあの人のことが気になってるのか。名前が知りたくて。話してみたくて。会ったことなんかないのに。どうしちゃったんだろう。
「あ。いた。陽菜」
と不意に声をかけられて声のした後ろを振り向くと、
お兄ちゃんがいた。
『お兄ちゃん。どうしたの?』
「こんにちはー!」
「こんにちは。遥香ちゃん。質問なんだけど、陽菜放課後空いてる?」
『委員会とかなかったら空いてるよ。』
「サッカー部のマネージャーしてくれないか?」
「え!」 『え?』
「今マネージャーが風邪で休んでてさ、昨日とかは俺が見れてたからよかったんだけど、今日は委員会の仕事があってそっち優先しなくちゃいけなくてさ。だから代わりお願いできないか?」
『そういうことなら、いいよ!』
「遥香ちゃんと一緒でも大丈夫だから。委員会の仕事終わったらすぐ行くからそれまでお願い!」
『うん!分かった』
「おう!助かる。ありがとな!部長に言えば大丈夫だから。よろしく」
そういってまた頭をポンポン撫でて去っていった。