an inseparable twosome~ずっと昔から~
第2章 2 想い
陽菜side
朝、遥香から噂になっていることを聞いて、
なぜか、古川先輩に伝わってないかすごく気になって。確認した。
学校中に広まってることを知り、古川先輩に誤解されたくない。そう思った。
でも、なんでだろう?なんで誤解されたくないの?
自分の気持ちがよく分からない。
あの日の朝、校庭でサッカーをしていた古川先輩を見てから私の頭の中は古川先輩のことばかりで。
こんなこと初めてだから、どうしてらいいのか分からない。
遥香に相談……。でもなぁ。迷惑になっちゃうと思うし、自分の言葉でうまく伝えれる自信がない。
「ねえ、陽菜。さっきなんで噂が広まってるか聞いてきたの?」
『あ、え、えっと!ふ、ふつうに気になって?』
「なんで疑問形?……なんか、あった?相談乗るよ?」
『え、でも、遥香に悪いよ…!』
「何言ってんの?私に悪い?迷惑になるとか思ってる?全然そんなことないし、むしろもっと頼ってほしい!だからさ、陽菜。無理にとは言わないし、陽菜が話そうって思ったときでいいから。いつでも、どんなことでも相談乗るから、ね!」
『うん、ありがとう』
「陽菜は昔から色んなこと自分で抱えすぎなんだよ。お兄様のことだって……ん?お兄様って誰?」
遥香にお兄さんがいたなんて初耳だし、実際にいなかったはずだ。
『いるの?お兄さん』
「いないよ!!……なんでだろうね?なんか最近よくあるの。ごめん。」
遥香は何も悪くないのに謝られたから、一生懸命首を左右に振る。
でも、確かに言われてみればいつのことを言っているのか分からないときがある。私もあるかもしれない。
「私のことはいいの!陽菜、相談あったら言ってね!」
そんなに言ってくれるなら、話してみようかな。古川先輩のこと。
『じゃあ、放課後話してもいい?』
「うん!はなそう!」
こんなに親身になって話を聞いてくれる遥香がいて、すごく嬉しいと思った。
「宮部ー。顔、にやけてんぞ。」
『へ!?……志水くん。』
「なんか嬉しいことあった?」
『ううん、別に何もないよ。ただ、遥香がいてくれてよかったなって思ったの』
本当に。いてくれてよかった。