an inseparable twosome~ずっと昔から~
第2章 2 想い
大翔side
「また……か。」
俺が変化を感じたのは高校に入ってからだ。
その変化とは夢で、やけに妹に似ているお姫様らしき人が出てきたり、その妹の友達に似ている人に兄様と呼ばれていたり。あまりにも出来すぎた夢で、最初見た時は気持ち悪くなるくらいだった。
その夢が、前世の記憶なんじゃないかと思い始めたのは妹と母さんがやけに真剣に見ていたテレビ番組だった。
我ながら単純だと思う。その日はたまたまテレビを見ていて。そこに有名な心理学の教授みたいな人が出ていた。その人が前世の事を話してて、○×チェックみたいなのをしていたからしたら、全て当てはまったのだ。
前世のことだ。と割り切ってしまえば、後からそういえばと思い出して、やっぱりと納得することが多くなった。
『……ゃん!…………いち……ん!…………お兄ちゃん!』
「ん?あ、ごめん。なに?」
『ううん。なんかぼーっとしてたからどうしたのかなって思ったの。』
「ん。大丈夫。ありがとな」
『うん!よかった』
曖昧ではあるけど、俺なりに前世のことは理解しているつもりで、俺の周りの人たちが関係していることは分かっているつもりだ。
なんで俺が前世を知ることになったのか、全く分からない。でも、これを知ることで俺に何かできることがあるんじゃないかと思っている。
「なあ、陽菜。前世って信じるか?」
『え、突然どうしたの?』
「いや、別に。気になって」
『んー、信じる……かな』
「そうか。」
やっぱ兄妹だからか、考える事は同じらしい。
「なんか相談とかあったらのるからな。」
『え?う、うん。ありがとう!』
もし、陽菜が前世を知ることになっても、それについて相談されたとしても俺は陽菜のちからでいよう。
前世で果たせなかった心残りを俺の役割を、
今は自分を犠牲にしてでも果たす。
そう心に決めた。