an inseparable twosome~ずっと昔から~
第2章 2 想い
陽菜side 続き
放課後、指定された中庭へ行くとすでに男の人がいた。上履きの色をみる限り、先輩で。ただならぬ緊張感が押し寄せてくる。
人は見かけで判断しちゃ言えないってわかってるけど、少し華やかな格好をしている。えと、悪く言えば不良のような。
『す、すいません…!お待たせしました。なんでしょうか?』
「あ、オレ、陽菜ちゃんが好きなんだ!付き合ってくれないかな?」
話の内容は遥香が言ってた告白だった。この場合、朝遥香と志水くんが言ってくれた私の思ってることを話せばいいんだよね。
『あ、あの…!ごめんなさい。まだ、好きとかそういう気持ちよく分からなくて。そんな中途半端な気持ちで先輩とお付き合いとか出来ません…!だから、ごめんなさい…!』
私の今の気持ちはこれでしかなくて。
申し訳なさで顔が下を向いてしまう。
あまりにも何も言われなくて、どうしたんだろうって下を向けていた顔を上げたら、思っても見なかったことを言われて驚いた。
「それでもいいよ!付き合ってから好きになってくれればそれでいいから!付き合ってくれないかな?頼むよー」
うん。分かった、ごめんね。で、終わると思っていたのに、こうなってしまうなんて思ってもいなくて。どうしたらいいのかわからない。
でも、先輩はそんなことに構わず両手を握り、頼むよという言葉を繰り返す。
どうしたらいいの…?強引な行動に恐怖心を覚えてしまう。誰か…!助けて…!
思わず心の中で叫んでしまう。
『いや、あの、でも…!本当に…!』
「お願いだよ!ほんとに好きなんだ!」
何をしても何をいっても引いてくれそうにない先輩。
どうしたらいいのか分からず途方にくれる。
誰か…!
「あ!いた。宮部」
そのとき聞こえた知っている声。この場ではすごく心強くて、とても安心した。
「あれ?先輩。なにしてんすか?その子嫌がってますよ?」
「あ?てめえなんだよ!」