第2章 憧れはいつだって
部屋の電気ボタンを押して、窓に向かいカーテンを閉める。1LDKのお部屋は女子高校生らしきものは全くない。
お父さんが毎月大金をくれるとは言え、母と暮らしていた時の節約癖があるため家具が必要最低限にあるくらいの質素な部屋だ。
いや、節約癖がなくてもわたしは必要最低限のものしか買わないつもり。
お父さんがくれるお金の出所は分からないし、そもそも送られてくる額が異常なのだ。相手の金銭感覚を疑うほどでもある。
……いったい何をして働いているのかな。こんな大金、きっと普通の人間ならば稼げない。
頭の片隅ではそう思いながらも不思議な雰囲気を醸し出す封筒を見ずにはいられない!
待ちきれずにハサミで上側を一気に引き裂くと、
中から明細書と分厚い紙がするりと落ちてきた。
こつん。
木製の床にカードが落ちる。
なにやら文字がずらりと。
もしかしたらだけど…はじめてお父さんの字を見るのかもしれない。
恐る恐る落ちたカードを拾い、びっしりと書かれた文字を読み上げる。
と、そこにはなんともわたしが思いもしなかった物語の切符がそこには差し出されていたのでした。
親愛なる娘名前へ
なんとも決まり文句な単語ではあったものの、わたしの心臓はとくとくと、心地よいリズムを刻み始めた。