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【マフィア松】鳥籠の花嫁【R-18】

第3章 迷子の子守唄


「あれぇ、どこかなぁ?ヒヒッ…隠れんぼ得意なんだねぇ」

わざとらしい。私がレンガでできた屋根上に乗っていることを承知の上できっと、壁に向かって話しているのだ。

パイプ管を登り終えたわたしは、連なる店の屋根を走り出す。なんとも、景観のためか、スーベニショップの屋根は綺麗に高さが揃えられ、走り心地はコンクリートと同じ感覚だった。足の速さで言えば、さっきの男よりわたしの方が明らかに早い。

だから、また、空港につながる道へ走り出す。
先ほど男が待ち構えていた方角に。

この大通りを過ぎたら恐らく人気のないところになる。
そして、多分男の他にも追っ手がいるはず…
万が一のため巻けるように、道調べをしないと。

…日本行きの便まではまだ時間がある。

体力を温存しながら、回り道をするのが妥当だ。

(はぁ、はぁ。…よしっ!大通りを抜けた!)

ならば、ここからは遠回り。

この一本道より、すこし気味悪いが…
分かれ道のあるサイクリングロードを選ぼう。

観光地というだけあって、【free bike】と英語で書かれた看板のそばに、自転車がある。

走ることより、こちらの方が早い。それに武器にもなる。

少々高いサドルにお尻を乗せ、ハンドルを握る。

どうやら、紫色の男は追ってこれてないみたいだ。

ペダルに足を乗せ、坂道を下り、前傾姿勢で助走を最大限に生かす。

どうか、逃げられますように。




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