第29章 ねんまつねんし、再。〜第三体育館組、全員集合〜
蕎麦が待ち構えているので夕飯は軽め。
残り野菜とウインナーをコンソメで煮たポトフと、炊飯器でできる簡単ピラフ。
明日の小腹満たしに残ってもいいなと思いいつもより多めに作ったはずが、予想以上に残りが少なくて、高校生男子+αの食べる量をなめていた。
蛍が食事の量が足りなくて残念がるなんて予想できないって。
この調子じゃあ蕎麦も足りないって言われそうで怖い…が、足りなければコンビニで調達してもらうことにしよう。
軽い夕飯が終わりリエーフと蛍が洗い物を始めてくれたのを確認すると私と莉奈ちゃんは先にお風呂に入る。気づかないうちに昨日付けられた印を指摘しながら、莉奈ちゃんはクロとそっくりのにまりとした笑顔をわたしに向ける。どうせ否定してもキスマークを見つけられてしまったのなら言い訳もできないので、湯船にぶくぶくと口元まで沈みながら、莉奈ちゃんが体を洗うのを見つめていた。
お風呂が終わる頃には年越しの特別番組が始まっていた。今年もやはり音楽番組で、話題のようかいの体操が流れていた。
そんな騒がしい声を聞きながら天ぷらの下拵えや蕎麦つゆを作っていれば、クロが声をかけてくる。
「木兎から電話きた。解散したらしいから回収してくるわ。回収したら連絡する。あと何か欲しいもんあれば連絡して。」
『わかった。今のところ特にないから大丈夫。気をつけてね。』
声掛けをしながらクロを送り出し作業を続ければ、木兎回収の連絡。蛍をお手伝い要員に参加させながら、私は海老を揚げ始めた。海老を綺麗に揚げるにはコツがいる。少しだけ丸くなってしまったのもあるが、14本、全ての海老を揚げ終われば、丁度のタイミングで聞こえたただいまの声。ふうと胸を撫で下ろしながら蛍に蕎麦つゆをみていてもらうように声をかけると2人を出迎えるために玄関へと向かった。