第29章 ねんまつねんし、再。〜第三体育館組、全員集合〜
寝起きの顔を洗いリエーフと二人でリビングに戻れば、すっかりくつろいでいるみんな。
テレビでは先程のきらびやかな会場から、暗い、鐘の音が響くお寺へと変わっていた。
「なあ、初日の出見に行かね?」
突然の言葉に発言の主を見つめれば、私を見ながら首をかしげる。
「最初の電話でも行ったじゃん?車出せるから初日の出も行けるって。」
…そうだった。
みんなが集まるテレビの前に私も近づきリエーフとともに座ると、蛍が端末を操作するのを横から見る。
「初日の出、調べたら6時半以降ってところですかね。やっぱり海沿いのほうが邪魔な建物がないのでいいんですかね。」
「いや、スカイツリーとか東京タワーは初日の出ツアーがあるみたいだよ。」
「流石に応募とか必要だろ。予約が必要ないところにしようぜ。」
私とともに蛍の端末を覗き込む赤葦とクロ。
そこに提案をしてきたのは以外にも莉奈ちゃん。
「昔レインボーブリッジいったことあるかもしれないです。橋の上、歩いて渡った気がする…」
その言葉に反応した蛍が検索をかけたようで、再び端末を覗き込むと、今年もやっているようでみんなが顔を上げ目配せをする。
「レインボーブリッジ走れんの?」
「走ったら危ねえから歩き。」
「木兎さん、流石に人が多すぎるんで、せめて橋から抜けたあとにしましょう。」
「6時前にはついてたほうがいいのか…こっから40分くらい。」
『だと遅くても5時には出たいよね。仮眠するとしたら4時くらいには起きて準備かな。』
「その時間だと朝飯は流石に早いですよね。」
走りたい人に、次の予定を決めてしまいたい人、朝ごはんの心配をする人。様々な中で決まったのは、起きる時間と家を出る時間。
運転を頼むクロには、仮眠にベッドをつかって貰おうか。そう思い立ち上がろうとするがそれを阻止され、膝の上に座らされる。
反論をしようと思ったが、それよりも先にリエーフの声。
「カウントダウンですよ!10、9…」
テレビの画面には移り変わる数字。
それが減っていけば、0のタイミングでの強いハグ。
「明けましておめでとうございます!」
去年怒られたのを覚えていたのかはわからない。
でも、今回は強いハグのみ。
頬に当たる柔らかな髪の毛がくすぐったくて、私は思わず笑った。
