第29章 ねんまつねんし、再。〜第三体育館組、全員集合〜
「ご馳走様。」
さくさくの海老天に出汁のきいた汁。毎年の締めはこれだなぁとホッとしながら年越しそばを食べ終えると、木兎がお風呂に入りにいき、クロと莉奈ちゃんが洗い物をしに行ってくれた。
今年も残り3時間を切ったところ。
お風呂もご飯も終わり束の間の休憩、なのだが、いつのまにか私はリエーフの膝の中。
膝の中が悪いわけではない。
ただ、リエーフに包まれる安心感と体温の心地よさに瞼が落ちてしまうのだ。
「美優さん、眠いですか?」
『ん…』
「大丈夫ですよ。日付変わるまでに起こしますね。」
今日くらいは日付が変わるまで起きていたい。でもここ最近の寝不足と、昨日の行為で限界のようで、目を開いていられない。いつの間にか体をブランケットが覆えば、かろうじて開いていた瞼をゆっくりと閉じた。
――――――
どのくらい眠っていたのだろう。
ふわりと意識が浮上すると、周りの声が起き抜けの耳に入ってくる。
身じろいたことで私が起きたことに気づいたのだろう。ブランケットの隙間からきらきらの翡翠がこちらを覗く。
「美優さん、起きた?」
薄ぼんやりとした頭で小さく頷けば、ふわふわ越しに頭を撫でる。
「もう少し時間ありますが…寝ます?起きます?」
『おき、たい…』
そう呟くと、ふわり、毛布ごと私の体は宙に舞う。
寝起きの頭ですぐには理解できない中、リエーフが私が起きたから洗面所につれていく旨をみんなに伝えたことで状況をやっと理解することができた。
「美優、あと40分で新年だからちゃんと顔起こして来いよ。」
そんな声と、歌合戦のそれぞれのリーダーの歌声を背中に受けると、私はリエーフに抱かれながら洗面所へと向かったのであった。