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【おそ松さん】もう二度と恋しないなんて言わないで【過去編】

第2章 お屋敷での共同生活


『ふふ、そんなにかしこまらなくても良い
あの場だったからの、きつい言い方をしたが
もっと楽に接してくれて構わない』

そもそも礼儀なんてのは―――仮にも神がこんなことを言っていいのか分からないが―――私はくそくらえだと思っている。

それだけ長い年月を生きてきたというだけの話かもしれないが。

「え、あ、そう、なんですか?」

ぎこちなく、それでもある程度砕けた話し方になったノギは
背中でもぞもぞと動いている。

どうも定位置が見つからないのだろう。

それもそうか。
人間なんて生きている中で動物に跨るのは
あって馬くらいだろう。

今の時代、馬にまたがる経験すらせずに一生を終えるものも多いのかもしれない。

『私自身、堅苦しいのが嫌いだからね
とは言えあんな話し方だとノギも話しにくいだろう?
私も気を付けるようにするよ。
だからノギも、そんなに堅くならなくていい。』

そこまで言い終えたあたりで背中にノギの全体重がかかるのが分かった。

やっと乗り心地のいい場所を見つけたのだろう。
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