【おそ松さん】もう二度と恋しないなんて言わないで【過去編】
第2章 お屋敷での共同生活
そうと決まれば話は早い。
「咲夜、紅夜少し出かけてくる。
留守番、頼んだぞ」
2人の返事を背後に聞きながら
ノギの手を引いて表まで出る。
「ノギ、おいで」
手を離し、後ろを振り返り大きく手を広げる。
「・・・え?」
あぁ、そうか。
さすがに見た目だけとは言え20代前半の女子に抱き着くわけにはいかないか。
「あぁ、ちょっと待ってて」
くるり、と前転をすれば人獣型から
完全な狐となる。
ひとつ普通の狐と違うのは
猪と張り合えるサイズということだ。
『背に乗りなさい』
この姿なら戸惑いはないだろう。
・・・と思ったが。
固まってしまった。
『ノギ?』
「あ、あぁ、はい。
お背中、失礼いたします。」
手と足が一緒に出ることって本当にあるんだな。
ノギはカクカクと近づいてきて
そっと背中にまたがった。