【おそ松さん】もう二度と恋しないなんて言わないで【過去編】
第6章 それぞれの過去
フッと靄がかかったかと思うと
次の瞬間には元の和室だった。
「この後妖力が尽きるまで暴れて意識を失いました」
紅夜が目を伏せて静かにそう言ったすぐ後。
「落ち着いたぁ?」
突然後ろから声がした。
驚いて振り向けば幻の中だったらしく、
紫雨が襖に凭れてたっていた。
どうやら幻の中も
私たちの居るこの屋敷の、この部屋らしい。
通りで紫雨の声がするまで幻だと気付かない訳だ。
「どーお?
すっきりしたぁ?」
紫雨に気付き横になった体を勢いよく起こそうとして
いって、と声を上げる。
「あ、だめだめ
ちょぉっと無茶させちゃったの、ごめんね」
クスッと笑って紅夜が寝ている布団のすぐ近くに
胡坐をかいて座る。
「あ・・・俺・・・」