【おそ松さん】もう二度と恋しないなんて言わないで【過去編】
第2章 お屋敷での共同生活
【彼岸】
「咲夜、紅夜」
「「お呼びでしょうか」」
呟くように2人を呼べば、スっと目の前に現れ
狐から人獣型へと姿と変える。
「え?」
ノギはさっそく驚いているようで。
「不思議だろう?
お前にも試してやろう。
適当なところまで遊びに行っておいで」
ふふ、と堪え切れなかった笑いをこぼしながらそう告げれば
顔中に疑問符を浮かべながら私たちから離れていく。
こちらから見てノギが豆粒ほどに小さく見えるようになった頃。
「ノギ」
またしても呟くように、
今度は今しがた遣いになった人間の名を呼ぶ。
「私のところへ来たいと、強く願ってごらん。」
私の声は、脳内で再生されるようにはっきりと届いているはずだ。
カサ、と芒が目の前で揺れたかと思えば
ノギはもう目の前へ来ていた。