第1章 いち
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最近二人ともロケやら取材に加えてコンサートもあったりで中々二人で過ごすことができなかった。
昨日は久しぶりに一緒に寝たが、それだけだ。
コンサート中日で俺は生放送があるから東京に戻らないといけない。
雅紀もロケがあるから無理はさせられない。
心は満たされるものの、体は正直で欲も出てくる。
俺は必死で抑えてなんとか朝を迎えたが、
何にでも直球の雅紀は不満そうだ。
S「雅紀。明後日、コンサート終わったらな」
A「うん」
S「明日の朝には帰って来るから」
A「ぅん。いってらっしゃい」
送り出そうとしてくれてるんだろうけど抱きついたまま離してくれない。
うん。かわいいな。
コンコン
『櫻井さんそろそろ時間なんですが出れますか?』
S「ごめん、大丈夫。今行く。
まさき、行かなきゃ」
A「うん」
S「行ってきます。」
A「…」
S「雅紀?俺も一緒にいたいよ。
コンサート終わったら。な?」
A「わかってるよ。
いってらっしゃい。」
寂しそうな目をしたままの笑顔で送り出してくれた。