第1章 始まりのはじまり
ドオオォォォォォン!!!
沖田の放ったバズーカーが巨大な門を破壊し、土方が立ち上る煙を掻き分けて駆け抜ける。
「新選組だぁぁ!!!!」
先導切った雄叫びに部下が続く。
しかし――。
「神妙にお縄につ……きやが……」
正面玄関のドアを蹴破って目にした光景に、土方の足と抜刀する手が止まった。
「なんだ…これは!?」
「ヒィ!!」
後に続いていた隊士から小さな悲鳴が漏れる。
壁や天井や床、あらゆる場所が血に染まり、無数の惨殺死体が血だまりを作っていた。
「流石土方さん、仕事が早ぇや」
「俺じゃねぇよ!」
遅れて門を潜った沖田に、容赦のない突っ込みをかます。
「どうしやす?」
「どうするもこうするも、てめぇは自分の隊員連れて亭主を探せ!!活かして捕らえろ!!残りは――」
キャァァァァアアア!!!!!!
土方の指示が女性の悲鳴でかき消された。
この絶望的状況で生存者を諦めかけていた土方の目に光が宿った。
「残りは生存者を見つけて救護班へ搬送だぁ!!!」
言うが早いか一人で長い廊下を駆け出していた。